1984年 西寮解体時の写真記録について
写真提供 : 名古則子氏(元東寮寮監)
東京女子大学には、東寮と両翼をなす西寮が存在しましたが、惜しくも1984年に解体されました(西寮については「Q&A集」のQ10参照)。
西寮解体に際の写真記録は、貴重な建設資料として他所にお貸し出しした後、長らく行方がわからなくなっておりましたが、先頃ようやく見つかりました。
なお、写真の中の女性は、名古則子氏ご自身です。
建築構造の専門家である西澤英和氏(関西大学)からは、これらの写真の第一印象として、以下のコメントをいただいております。
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コンクリートが中性化して鉄筋がさびてだめになっているとの主張だが、カラー写真を見ても錆びてしまった鉄筋などは見当たらない。
解体工事では大抵、埃の舞うのを避けるために散水するので、鉄筋は錆びやすいはずなのに、実際には赤茶けた鉄筋は見当たらず、健全そのものといえる。
コンクリートが中性化しているので鉄筋が錆びて危険という主張は、完全に否定される。
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建物の床には波型鉄板をコの字型に折り曲げた一種の鋼製型枠が使われている。
これは大正時代に米国のカーン社の特許工法と思われる。
時代は少し下がるが、東洋英和女学院の鳥居坂の校舎(ボーリズ氏設計)でもカーンの工法が使われている。
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どこも傷んでいない建物をよくぞ解体に持ち込んだものだと思う。