2007年東寮解体

2007年8月、東京女子大学からは何の回答・連絡もないまま、東寮の解体工事が本格的に始まりました。

2007年9月15日、東寮は、塔も含め全て解体されました。

写真により、シンポジウム「東京女子大学レーモンド建築東寮・体育館を考える」の説明通りの明快な構造方針であることがはっきりした。
建物の解体が容易であることと、建物が耐震的に弱いことは別である。解体の容易性から建物の耐震強度に話を短絡させることは非論理的である。
東寮には軽やかで無駄を省いたシンプルな構造体には合理性からくる美しさが感じられる。
材料劣化については、解体時に発生した資料から各種調査が可能。使用に耐えないほどの劣化と言うなら、劣化程度の分析・試験結果の提示がないと納得できない。
耐震強度不足の論拠については、耐震診断書を再検証すべきである。再検討を加えて計画の妥当性の再検証を実施し、その結果を公表すれば学術的に貴重な資料となる。教育機関として是非とも実施すべきである。
東寮の教育的・建築学的な価値を踏まえ、専門家から成る学術記録保存の委員会を組織し、記録保存のための報告書を作成するべきである。これは文化の担い手である大学として最小限の義務である。

2007年 東寮解体